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農ビと農ポリと農POの違い [ハウス・トンネル・マルチ等被覆資材]

農ビと農ポリと農PO。
どれも似たようなものですが、素材と用途が違います。



(1)農ビ

・用途
パイプハウス
トンネル

・材料
ポリ塩化ビニール

・製造方法
【カレンダー方式】
原料をモチやパスタのようにこねたあと、
パスタマシーンのごとく2本のローラーの間から薄く延ばすように成型される。

・特徴
コシがあるので、よく伸びてパイプに隙間なくべったりくっつくため、
あったかい空気が逃げにくく、農POに比べて保温性が高い。
キズがつくと、そこから裂けやすい。

RIMG1258.jpg
農ビのハウスは、アーチ1スパンごとにマイカ線(ハウスバンド)を設置する。





(2)農ポリ

・用途 (厚さや色により色々)
マルチフィルム(0.02mm、0.03mm)
トンネル (0.05mm)
雨よけ (0.05mm~0.1mm)
養生シート (0.05mm)
プール育苗のシート (0.07mm、0.1mm)

・材料
ポリエチレン樹脂

・製造方法
【インフレーション成型】
ペレット状の樹脂をラセン状のヒーターで溶かしながら押出し、
出口でブロワーを当てて屋台の綿菓子の機械のように周囲に筒状に吹き上がっていくので、
その筒を上部にあるローラーで挟んで押さえて両端を切りつつ巻き取る。

・特徴
基本的に1シーズンで使い捨てする。あまり丈夫ではない。
近年、製造時に生分解性の原料を使用した、生分解性マルチフィルムも販売されているが、
販売価格は通常のマルチの3倍から5倍程度になる。

生分解.jpg
生分解性マルチは、収穫後は回収せず畑に漉き込むことができる。





(3)農PO

・用途
パイプハウス
トンネル
プール育苗下敷き

・材料
ポリエチレン、サクビ

・製造方法
【インフレーション成型】
上記の農ポリと同じだが、農ポリは押出しスクリューが1本(単層)なのに対し、
農POはスクリューが2本以上で複数の原料を使用して1枚のフィルムを作る。
押出スクリューが3本の3層フィルム、5本の5層フィルムが多い。

・特徴
農ビよりも硬く丈夫で、傷がついても穴や裂け目が広がりにくい。
大風や大雪の場合、農ビであればビニールが破れるだけで
骨組に及ぶ被害は少ないが、
農POの場合は破けず骨ごと損壊することがあるので、
農POを展張するハウスは、合掌補強やタイバーなどの補強を設置する必要がある。
補強を設置しても、環境によっては損壊する場合もある。

DSC_3495.jpg
農POのハウスは、農ビのハウスのように屋根をマイカ線で抑えようとすると
擦れてフィルムが切れるので、屋根はマイカ線を張らず、
峰1列とアーチ沿い2間おきにビニペットを設置し、
スプリングで屋根フィルムを押さえる方式が取られている。



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